simplestarの技術ブログ

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これまでのゲームAI:7つの分類

ゲームの国際会議GDC2018のAIの集会で、日本人の三宅陽一郎(43)さんが発表してますが、ゲームAIについて良く調べている方と言えばこの人になります。
そんな三宅さんがゲームに用いられるAIを7つに分類してくれました。

前回の私の記事で、遺伝、習性、意思決定などのレイヤー構造のAIにすると良さそうだ、と酔った頭で考えていましたが
今回のこの 7つの分類は、そのレイヤーの一つとしてとらえていけそうな気がします。

解説いただいたその 7つの分類は次の通り

1.ルールベース(すべてを平たんに if ~ else ~ で記述する反射行動)
2.ステートベース(状態ごとに反射行動を記述、状態遷移によって処理を分岐)
3.ビヘイビアベース(開発者にやさしい設計で描く反射行動)
4.ゴール思考(手段目的構造でプランニング)
5.タスクベース(目的をタスクに分解してプランニング)
6.ユーティリティベース(欲求の効用曲線、動物的な習性)
7.シミュレーションベース(短期的な未来を計算して、その場における最善手を選ぶ)

また補足説明として 1.2.3.は反射的な行動、ゆえにあまり賢いAIに見えない
4.5.は有名FPSとかに導入されているけど、作品数は多くない
6.は日常生活系のシミュレータで大活躍
7.こそ研究段階、囲碁や将棋AIはこれ

ということでした。

かれこれ 2016年の9月ころから私が考えてきたAIは、7.シミュレーションベースのその先の研究領域だったのかもしれません。
周囲の環境をシミュレーション可能な枠組みで作るという逆転の発想を用いて、その結果から行動を決めるAI
また、何度も同じような行動が繰り返されたときに、Deep Learning 技術で特徴学習を行って、短時間で過去の経験から賢い選択をできるようになるAI
そんなAIを目指しています。

すべては飽きがなかなか来ない愛せるほどの面白いゲームを作るためですが、少しずつ世界がその方向に向かって動き出していることを感じられてうれしく思いました。